韓国語の発音は難しい・・というときに、なぜ難しく感じるのかというと、音変化が複雑だからです。
しかし、その音変化もある程度ルール化されているので、ルールをつかめるとだんだん理解することができます。
この記事では「맛없다は마덥따と発音するのに、なんで맛있다は마딛따と発音しないのか?」という不可解な点について解説していきます。
こんなご質問をいただきました。
맛없다は마덥따と発音するのに、なんで맛있다は마딛따と発音しないのか?
【ご質問】
ㅅパッチムがのときそのままㅅの音で発音するときとㄷの音に変わって発音するときがありますよね?
それは何か法則があるのでしょうか?
それとも特別な音として覚えるしか無いのでしょうか?
例)맛있어 ㅅのままですよね?
맛없다 ㄷの音に変わるのが複雑で・・
もしコツがあれば教えていただきたいです。
標準発音法という規定がある
【回答】
ご質問の内容に関する発音のルールというものが一応韓国政府が決めた発音規定のなかにあるんです。
標準発音法
第4章:パッチムの発音 第15項
http://krdic.naver.com/help.nhn?page=3-1-4
パッチムの後ろに母音ㅏ,ㅓ,ㅗ,ㅜ,ㅟなどで始まる実質形態素が連結される場合には、代表音に変えて後ろの音節の初音に移して発音する。
おそらく何を言っているのかわからないと思いますので、解説すると次のようになります。
・二つの単語が連続していて
・前の単語の最後がパッチムで終わり、後ろの単語が아,어,오,우,위で始まるとき
・前の単語の最後のパッチムを代表音で発音して、後ろの아,어,오,우,위と連音化させる
ただ、これでも訳がわらないでしょうから、맛없다と例に説明しますね。
1)맛없다は맛(味)と없다(無い)の二つの単語が連続している言葉である
2)前の単語맛がパッチムで終わり、後ろの単語は어で始まっている
なので、
3)맛のパッチムㅅは、代表音ㄷなのでㄷと発音し、어と連音化させる。つまり、ㅅと어を合体させて더と発音する。
という現象がおこり、結果として
맛없다は[마덥따]と発音することになるということです。
なんとなくわかりましたか?
「代表音」というのは、パッチムの発音の代表音ということで、全部で7種類あります。
ㅋもㄲもパッチム単独で発音するときはㄱとして発音するというルールです。
これはテキスト2部で説明している内容です。
で、特にㄷを代表音とするパッチムが多くてㄷ以外に、ㅌ,ㅈ,ㅊ,ㅅ,ㅆはパッチム単独で読むときは全てㄷと発音することになっているわけです。
못 하다も모사다と読まずに모타다となるのは、このルールと同じ原理が働いているからです。
못と하다は別の単語でㅅはㄷと読むことになります。
だから、ㅅ+ㅎ–>ㅌという現象がおこって모타다と発音する・・ということになります。
この現象が起こるのは、他にも
- 밭 아래 –> 바다래
- 늪 앞 –> 느밥
- 꽃 위 –> 꼬뒤
- 겉 옷 –> 거돋
- 헛웃음 –> 허두슴
なぜ맛있다のㅅパッチムは、そのままㅅと読むのか?
一方の、맛있다ですが、こちらは마싣따と発音しますよね。
なぜ미딛따とならないのか?というと、そもそも있다の이が아,어,오,우,위に当てはまらないという理由がひとつ。
しかし、実は二つの単語が連続して後ろの単語が이,야,여,요,유で始まるときには別の形の音変化を誘発するというルールがあるんですが、맛있다と멋있다については、これらのルールにも例外的に当てはまらず、마싣따 / 머싣따と発音するのが慣例になっているからです。
ちなみに
・二つの単語が連続していて
・前の単語の最後がパッチムで終わり、後ろの単語が이,야,여,요,유で始まるとき
どのような現象が起こるのか?
音の添加という現象もある
同じ「標準発音法」に次のような規定があります。
第7章:音の添加 第29項
http://krdic.naver.com/help.nhn?page=3-1-7
合成語及び派生語において前の単語や接頭詞の終わりが子音で、後ろの単語や接尾詞の初音節が이,야,여,요,유である場合には、「ㄴ」音を添加し「니,냐,녀,뇨,뉴」と発音する
具体的に見てみましょう。
한국 요리という言葉があります。
もちろん「韓国料理」という意味ですね。
・前の単語がパッチムで終わっている
・後ろの単語が이,야,여,요,유で始まっている
ので、音の添加の条件にぴったり合っています。
なので、요리にㄴ音が添加されて「뇨리」と発音される。
つまり、
한국 뇨리
となるわけです。
ただし。
뇨のㄴは鼻音です。
鼻音の前に破裂音が来ると、破裂音は鼻音化してしまうというルールがありました。
뇨の前には국のㄱがあります。
パッチムㄱは破裂音ですよね。
鼻音の前の破裂音は、鼻音化してしまうのでㄱがㅇに変化してしまいます。
だから、한국 요리は最終的に한궁 뇨리と発音するのです。
このルールが適用される他の例としては
- 한 여름 –> 한녀름
- 식용 유 –> 식용뉴
- 직행 열차 –> 직행 녈차
- 영업 용 –> 영엄뇽
- 맨 입 –> 맨닙
- 꽃 입 –> 꼰닙
- 담 요 –> 담뇨
- 내복 약 –> 내봉냑
などがあります。
で、話を戻して맛있다ですが、本来맛と있다は別の単語なのでルールを適用すると「맏닜다–>만닜다」と発音しそうなものなんですが、これら規定の例外的な表現として「마싣따」と読むことが標準語として認められています。
まとめます。
なぜ맛있다は마딛따と読まずに마싣따と読み、一方맛없다は마덥따と読むのかというと、
「맛없다」を마덥따と読むのは音変化のルールに従った結果であり、
「맛있다」を마싣따と読むのは音変化のルール中の例外だからである。
ということになるからです。
音の変化には、ちゃんとルールがある。
なんで音変化が起こるのかわからなくなったときは、ぜひルールから考えてみてください。
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