韓国語文法を覚えるコツ。日本語のしくみから考えること
韓国語と日本語は文章の構造が非常に似ています。
だから、韓国語の組み立て方を理解するためには徹底的に日本語を理解すると好都合なんです。
今回は、私の受講生さまからいただいたご質問をご紹介しつつ、日本語から韓国語の文法を考える例をみていただきます。
ご質問:止めてくださいの韓国語、「세워 주세요」の「워」がなぜこうなるのかがわかりません。
まず日本語から考えてみましょう。
「止めてください」という日本語は、「止める」と「くれる」という動詞が2つながった形ですよね?
日本語において動詞を2つつなげるとき、例えば「止めるください」とは言わず「止め”て”ください」といいます。
つまり、「る」の部分が「て」に変わるわけです。
なぜだかわかりますか?
「止める」という形は文章を終えるときに使う形だからです(終止形)。
一方、文章がまだ終わっておらず、この後に文章がつづくときは
「止めて」
というのが日本語のルールです。
特に動詞の後ろにまた動詞がつづくという場合の形のことを文法用語で「連用形」といいます。
連用形とは「用言に連なる形」という意味です。
用言とは「動詞、形容詞」のことです。
日本語の連用形は動詞の最後に「て」をつける形になります。
例えば、次のような形が連用形です。
ここまではいいでしょうか?
では、韓国語に連用形があるのか?
次に韓国語の説明に入ります。
止めるという韓国語は세우다です。
くださいという韓国語は주세요です。
だから、「止めてください」という文章を作るとき
세우다 주세요
となるかというと、そうではありません。
これだと日本語の「止めるください」と同じことになります。
韓国語も日本語と同じく、
動詞を2つつなげるときは動詞の形を変えなくてはいけないんです。
では、どのように形を変えるのか?
実は韓国語にも連用形があるんです。
日本語と同じような感覚です。
日本語の連用形は「て」でしたが、韓国語では「아」もしくは「어」を使います。
この아もしくは어を2つの動詞のうち一つ目の語幹にくっつけます。
語幹とは動詞の原形から다を取り外した残りの部分のことです。
つまり、세우다の語幹は?と聞かれたら、다を外した残りの「세우」になります。
したがって、
세우 + 어 → 세우어
が日本語の「止めて」に相当します。
ちなみに、아を使うか、어を使うかは語幹の最後の母音が(어をつける直前の母音が)陽母音か陰母音かで決定します。
세우다の場合は語幹の最後の母音が우なので陰母音です。
陰母音には어をつけるので세우어という形になります。
話を元に戻します。
日本語の「止めて」に相当する韓国語は
세우어
でしたが、
これがどうして세워になるのかというと最後の2文字、우と어を合体させて二重母音化したからです。
で、そうして出来上がった세워の後ろに주세요をつけて
세워 주세요(止めてください)
が出来上がるということになります。
ちなみに우と어がなぜ合体するのか?というと、우어を連続して発音すると
우 + 어 –> 워
というように二つの音が勝手につながってしまうからです。
韓国語では音変化がよく起こりますが、だいたい発音上の都合です。
「〜してください」の韓国語を作る方法
세워 주세요(止めてください)以外にも
「〜してください」という意味の文章はたくさんありますが、
上で説明したのと同じ要領で文章をつくっていきます。
このとき、語幹と後ろにつづく아/어が合体して、二重母音になることがありますので、その点も気をつけてみてください。
가다(行く)+ 주세요
오다(来る)+ 주세요
받다(受ける)+ 주세요
보이다(見せる)+ 주세요
먹다(食べる)+ 주세요
韓国語の場合、この連体形の他に
など、아もしくは어で始まる語尾を母音で終わる語幹に付ける場合、合体して二重母音化することがほとんどです。
逆にいうとパッチムで終わる語幹のときには二重母音化しないということです。
—–(ここまで)——
このように韓国語の文章構造がわからなくなったときは「日本語ではどうなっているのか?」から考えてみると理解しやすくなることが多くあります。
ぜひ日本語との比較をしながら、韓国語の文法理解を深めてくださいね!
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