テストの点はとれるのに、韓国語が話せるようにならない人のパターン

単語力不足という思い込み

もしあなたが韓国語能力試験3級に合格したのにもかかわらず、韓国人と会話ができない・・と悩んでいる方が結構いらっしゃいます。

韓国語能力試験3級に合格するということは、日常会話レベルの文法や単語を全て知っている「はず」なので、本来韓国人と雑談を30分くらい当たり前にできてもおかしくない知識は持っているんです。

しかし、いざ韓国語で会話しようとすると、わかっている単語でも口からでてこない・・とか、頭が真っ白になってしまってしまうのであれば、緊張というメンタルの側面を鍛えるという方法もありますが、考え方を変えるというアプローチもとってもらえればと思います。

上手に話そうと思っていないか？

テストの点数は取れるのに会話ができない人にありがちなパターンとして、まず思い浮かぶのが「上手に話そうと思っている」からです。

「上手に話そう」という意味は、あなたが日本語で話しているときと同じ「長さ」の文章、同じ難易度の「単語」をつかって流暢に話そうとしている状態です。

そのような状態を目指すこと自体は悪くないのですが、日本語と同じ長さの文章を流暢に話せるようになるには、理屈上、あなたが知っている「日本語の単語」と同じ量だけの「韓国語単語」がわかっていないといけないことになります。

なので、いざ話そうとして頭が真っ白になった経験を持っている人は、自分の「単語力不足」のせいで話せないんだと思ってしまい、単語の暗記に精を出す人が多いです。

頭に思い浮かべたことをそのまま韓国語にしようとするから言葉に詰まる

私もそんな経験をしたことがあるのですが、今振り返ると単語不足が原因で話せない・・というのは嘘です。

上でもお伝えしましたが、韓国語能力試験2級に合格していれば日常会話で必要な単語はほぼ知っているはずなんです。その上の3級に合格しているのであれば、専門的なことを話そうとしない限り、単語量は足りているんです。

では、なぜ口から知っているはずの単語が出てこないのか？

それは、頭に思い浮かべた日本語をそのまま韓国語に訳そうとしているからです。

つまり、韓国語を「上手に話そう」としているから。

残念ながら、頭に浮かんだ日本語をそのままの形で韓国語に変換しようとしている限り、韓国語が話せるようにはなりません。

あなたの韓国語知識は、あなたの日本語知識より常に少ない

韓国語を話すときは韓国語で考えろ！なんて、わかったようなことを言うつもりはありません。

日本語が母国語のあなたが韓国語を話そうとする場合、当分のあいだ「日本語で考えて、頭の中で韓国語に翻訳し、その翻訳したものを口から声として出す」というプロセスで話すことになります。

そして、韓国語が話せない原因のほとんどが「思い浮かんだ日本語を、頭の中でうまく韓国語に翻訳できないから」で、さらにうまく翻訳できなかった原因を単語力不足のせいにしがちですよね。

しかし、私たちのような韓国語の実務者は、自分の韓国語知識がつねに自分の日本語知識より少ないことを意識しています。

つまり、もし私がうまく韓国語に翻訳できない状況に陥ったら、自分の単語力不足のせいにするのではなくて、最初に思い浮かべた日本語が難しすぎるせいにするということです。

シンプルに考えて、シンプルに話す。

あなたが思い浮かべた日本語は、あなたが韓国語に翻訳するのに難しすぎる表現になってはいませんか？

確かにあなたが思い浮かべた日本語の通りに韓国語で話せるとすれば、それが理想ではあります。

しかし、あなたが思い浮かべた日本語をそのまま韓国語に翻訳できないのであれば、次にあなたが韓国語に翻訳できるレベルの日本語に作り直してみてください。

これが韓国語を話すための第一歩になります。

韓国語を「話す」という行為の目的は、相手の韓国人にあなたの「気持ち」「考え」「事実関係」などの「意味」を理解してもらうです。

決して、ネイティブのようにスラスラ話すだとか、正しい発音で話すだとか、形式的・表面的なことが主目的ではありません。たとえ流暢に韓国語が口から出てきたとしても、話が長くて何を言いたいのか分からないというのでは本末転倒なんです。

いまの時点で、あなたが「意味」を伝えるためにできること。

それは短く、簡単な文章を作って、話すことです。

そのさきに流暢に話すという世界が見えてきます。