韓国語で動詞の過去連体形をつくるときは、動詞の語幹にㄴ/은をつけると習います。
そして、勉強を進めていくと던という過去連体形もあることを学ぶことになりますよね。
ただ、しっかり勉強しても、은と던の違いがわかりにくいのではないでしょうか?
この記事では은と던の違いを解説していきます。
던は単純な過去ではない
ちょっと古い記事になりますが・・、次の天気に関する情報を読んでみてください。
[서울안전통합상황실,2013.7.22.09시]서울지역 호우경보 발령되어, 시간당 30mm이상 많은 비가 내리는 가운데, 강남지역에 내리던 비가 강북지역으로 확대되었습니다. 비피해 없도록 주변을 살피고, 피해시 119, 120으로 즉시 신고바랍니다.
直訳してみると
[ソウル安全統合状況室,2013.7.22.9時]ソウル地域豪雨警報発令され、時間当たり30mm以上たくさんの雨が降る中、江南地域で降っていた雨が江北地域へ拡散されました。雨被害無いよう周辺を見渡し、被害時119、120へ即時申告願います。
1時間30mmの雨といえば、かなりの大雨ですが、この文章のなかで文法的に注目したいところがひとつあります。
강남지역에 내리던 비
「江南地域で降っていた雨」という訳をつけることができるのですが、「내린 비」でなくでもなく、なぜ「내리던 비」という表現を使ったのか?
この違いがわかりますか?
では、まず一般的な”過去連体形”であるㄴ/은をつけた場合、つまり「내린 비」はどういう意味かと考えてみましょう。
내린は「降る」の過去連体形ですから、日本語にすると「降った」ですね。
だから、내린 비は「降った雨」。
「降った雨」はどういう意味かというと、過去形ですから逆に言うと今は降り終わったということになります。
つまり、今は止んでいるけど、過去のある時間には降っていたということを意味するわけです。
一方、ここで使われている「내리던 비」はどういうことかというと、過去から雨が降っているのだけれども、さらに今も降っているということを表しているんです。
내린だけだと、今止んでいる意味になってしまうのですが、내리던 비とするとまだ止んでいないニュアンスが出て来るというわけです。
ここでは「江南地区で降っていた雨が、江北地区へ拡大」したとあります。
最初は江北地区では雨は降っておらず、江南地区だけで雨が降っていた。
しかし、江南地区の雨が江北地区へも広がって、江南地区でも江北地区でも雨が降り始めたということなのです。
だから내린ではなくて내리던を使っているわけなんですね。
整理すると、
- 「내리던 비」と書いた場合「降っていた雨」と訳します。
- 話している時点から見て過去のことを表現していて、その意味では「내린 비」と同じです。
- しかし、던を使うとその現象が終わったわけではなく、現在も続いているという意味まで含んでいます。
例がひとつだけではわかりづらいかもしれませんので、他の例文も見てみましょう。
例えば、
먹은 빵
먹던 빵
の違いは何かというと、「먹은 빵」は単純な過去の話なので「もう食べ終わった」ということを表しています。
一方、「먹던 빵」は過去の時点で食べていたのは同じなんですが、それが終わっていないで現在もつづいているということを表します。
つまり、「全部食べ終わらずまだ残っているパン」だということです。
naverで探してみるとこんな記事のタイトルを見つけました。
訳してみると
ユンビョンジェ、学生時代告白「食べていたパン、奪われたことがある!」
もし먹던 빵の部分が먹은 빵だったら、食べて終わったというニュアンスになるので、文章として成り立ちません。
먹던 빵として、まだパンが全部食べ終わっていないで残っていたために、奪われることができるんですね。
ㄴ/은は単純な過去を表し、基本的にその行為は終わっていることを表し、던は過去に始まった行為であるものの、現在もまだ終わっていないということを表すということです。
では、었던は?
以上を踏まえて、さらに던と紛らわしいもうひとつの過去連体形の表現「었던」を見て行きたいと思います。
もし、冒頭の例文강남 지역에 내리던 비…が강남 지역에 내렸던 비だったらどういう意味になるのか考えてみます。
내리던 비というのは前述の通り、過去降っていたことにフォーカスをしているものの、現在も降り続けているということを意味します。
一方、내렸던 비とするとどうなるかというと、これも日本語訳をすると「降っていた雨」というようにしか表現できないので내리던 비と同じになってしまうのですが、렸に含まれている過去形었によって、現在雨は止んでいることを表すことになります。
つまり、던というのは今でも引き続き動作や現象が続いているということを意味するのに対して、었던という表現は、その動作や現象は終わっている、完了していることを意味するのです。
しかし、ひとつ疑問に思われるかもしれません。
それなら내린 비と내렸던 비は何が違うのか?ということです。
ㄴ/은と었던の違いは?
両方とも既に雨が止んでいるということを表していますが、一体何が違うのか?
表現が違うので何か違いがありそうですよね。
その違いとは、話し手から見て、表現しようとている動作や現象が過去の時点で継続していたり反復していたりしていたという思いが入っているかどうかです。
내린 비の場合は単純に事実として、過去の時点で雨が降ったという事実を表します。
それに対して내렸던 비は話し手の経験から、ある程度の時間継続して降っていたという思いを表しています。
では、었던という言葉を使うとどうなるのかというと、すこし「〇〇をしていたなぁ」とか「××したことあるなぁ」という思い出を語るようなニュアンスが入って来るということになります。
かなり微妙なニュアンスなので分かりにくいかもしれませんが、もともと「던」という単語には「回想」という文法用語がつけられていて、これは現時点から過去を思い出す意味を表すということです。
わかりにくいかもしれませんので、またパンの例を出すと、
먹었던 빵:食べていたパン
という訳になるのですが、먹던 빵(=まだ食べ残っているパン)と使われる場面が違います。
またnaverで検索した文章を出してみると
今度はブログのタイトルですが、訳は
「昔からたくさん食べていたパンの風味を感じられるところ」です。
さっきもお伝えした通り、日本語に訳すと먹던と同じになってしまうのですが、ニュアンスが違います。
먹던はまだ食べ終わっていないことを意味するのに対して、먹었던はそうではなく「昔よく食べたなぁ〜」と何度も繰り返し食べたことを思い出しているということなのです。
非常に微妙な違いかもしれませんが、この違いがつかめるといろんな表現の意味がわかるようになるはずです。
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