パッチムはどのように発音すればいいのか?

 

韓国語を始めたばかりの人だけではなく、ある程度韓国語を勉強した人にとっても難しいのがパッチムの発音です。

 

というのもパッチムは子音を母音と合体させずに子音単独で発音しなくてはいけないのですが、残念ながら日本語には意識して子音だけを発音する音がないため、なかなかうまくいかないからです。

 

しかし、ハングルを発音記号と捉えるとパッチムの発音がうまくなります。

 

このページからは、いよいよハングルの記号を発音記号としてどのように読み取れば良いのか説明していくことにします。

 

 

●パッチムの音は7種類

 

ハングルには子音記号が19種類もあります。

 

一見ハングルの記号の種類が非常に多いので、韓国語学習初心者にとってはハングルの記号を覚えるだけでも四苦八苦することになります。

 

その結果、残念な人はカタカナで「アンニョンハセヨ」とか「カムサハムニダ」などとフリガナを振ってしまい、韓国人に通じない韓国語を延々と勉強してしまうことになるのですが、ちょっと発想を変えてパッチムから勉強してみると文字も発音も覚えやすくなったりします。

 

なぜなら、ハングルの記号は本当にたくさんあるのですが、パッチムには7種類の発音方法しかないので、まずはパッチムで使われる7つの発音から学んでいくと頭の整理がしやすくなるからです。

(※ただし、パッチムで使われる子音記号は17種類ありますので、誤解なきよう。あくまで「発音」の種類が7種類です)

 

その7種類とは以下の通りです。括弧内のアルファベットはハングル記号に対するローマ字です。

 

ㄱ  (K)

ㄷ  (T)

ㅂ  (P)

ㅇ  (NG)

ㄴ  (N)

ㅁ  (M)

ㄹ  (L)

 

つまり、韓国語のパッチムは母音のあとでK,T,P,NG,N,M,Lという7つの子音はどのように発音すればいいのか?ということを学べばいいということになります。

 

 

 

●子音の発音は舌や唇のかたちに注意するところから始まる

 

 

前のページで人名の「김」は「kimu」ではなくあくまで「kim」と発音すると説明しました。

 

しかし、日本語には子音単独で発音することはほとんどないので(実はあるのですが意図的に発音できないので)、私たち日本人にはどうしても子音に余計な母音がくっついてしまいます。

 

kimと発音したいのに「M」が「mu」になって「キム」さんになってしまったり、同じく人名の朴さんのハングル「박(pak)」の「K」が「ku」と発音されて「パク」さんになってしまったりして、せっかく韓国語で話したつもりでも韓国人んに聞き取ってもらえないというのは、どうしても余計な母音が最後にくっついてしまうことが原因であることが多いわけです。

 

では、どうすれば子音単独で発音できるようになるのか?

 

その答えは、この余計な母音を取り除くことができればいいということになるのですが、まずは子音と母音の違いを体感していただくところから始めましょう。

 

次の音を発音してください。

 

「PA」

 

「ぱ」ですね。できると思います。

 

では、さらに次の音を発音してみてください。

 

「PAPAPAPAPAPAPAPAPAPAPAPAPAPAPAPAPAPAPA・・・・」

 

「ぱぱぱぱぱぱ・・・」という音になるのですが、そのときあなたの口がどのように動いていますか?

 

もう一度あなたの口の動きに意識を向けながら「ぱぱぱぱ・・・」と発音してみてください。

 

 

すると、どうなっているのか?

 

あなたの口がパクパク開いたり閉じたりしているはずです。

 

 

では、最後。

 

同じく「PAPAPAPAPAPA・・・」と発音し続けて、一番最後「A」の発音をしないで、つまり「あ」の声を出す直前にストップしてみてください。

 

文字にすると「PAPAPAP!」というようにPで終わるかたちになるのですが、そのときあなたの口はどういう状態になっていますか?

 

恐らく、最後の「A」の音を発音する前に口をストップさせたので、くちびるがぎゅっと閉じたままの状態になっていませんか?

 

これは何を意味しているかというと、子音のPは口を閉じることで音を作っているという証拠なんです。

 

そして、 「PA」という音は、口を閉じた状態から「A」と声を出すことによって作られる音だということになるのです。

 

 

では、別の音を見てみます。

 

次は「MA」を見てみましょう。

 

また、同じように「MAMAMAMAMAMAMAMAMA・・・」と声を出し続けて、あなたの口がどのように動いているのか意識してみてください。

 

するとどうでしょう?

 

やはり、口をパクパクさせて「ママママ・・」と発音してはいませんでしたか?

 

そして、「MAMAMAMAMAMAMAMAMA・・・」と声を出し続けて、また一番最後「A」の発音をしないで、つまり「あ」の声を出す直前にストップしてみてください。

 

やはり最後の「A」の音を発音する前に口をストップさせたので、くちびるがぎゅっと閉じたままの状態になっているはずです。

 

つまり、Mも口を閉じることで音を作っている子音なんだということになります。

 

そして、「MA」という音も、口を閉じた状態から「A」と声を出すことによって作られる音だということになります。

 

 

しかし、PとMは、口を閉じることで音を作っているとは言っても、明らかに違う音ですよね?

 

なぜ、あなたはPAとMAを別の音として発音することができるのでしょうか?

 

その答え、PとMの違いについては次のページで説明することにします。

 

 

→次のページ:ハングル子音記号が表現していること