韓国語の活用は、「語幹」のうしろににそのまま語尾をつけるだけでいい・・・。
前回の記事説明したとおり、韓国語の活用ではこれが原則です。
しかし、例えば「~ます」という意味の丁寧語を作ろうとし たときに、いきなり例外事項にぶつかってしまうのが韓国語のややこしいところでもあり、日本語と感覚が違うので戸惑ってしまうひともいるわけです。
では、具体的にどうややこしいのか見ていきましょう。
陽母音・陰母音の原則により形を変える語尾
「~ます」を意味する韓国語は「~아요」という語尾です。
まず、基本に忠実に「가다」の「語幹」にそのまま「~아요」をつけてみると、
行く + ~ます :
가다 + 아요 ―> 가아요 ―> 가요(行きます)
「가다」の語幹「가」に「아요」を付けると「가아요」になります。
ですが、「가」と「아」が同じ母音 なので合体するため、「가요」という形になるんですね。
これは問題ないかと思います。
”「語幹」と「語尾」をそのままくっつける”という基本からは外れていませんからね。
では、次に「먹다」に「아요」をつけてみましょう。
食べる+~ます:
먹다 + 아요 ―> 먹아요
「語幹」と「語尾」をそのままくっつけるという原則を守ると「먹아요」という形になるのですが、残念ながらこれでは間違いですよね?
前回、日本語の動詞・形容詞の活用は 「語幹」+「語形変化する部分」+「語尾」という形になっていて、語尾の種類の違いによって「語形変化する部分」の形が変わってく る・・と説明しました。
しかし、韓国語の活用においては、日本語とは逆に
語幹の種類の違いによって”語尾の形が変化する”
という例外現象がおきるのです。
먹다の場合、아요がどのように変化するかというと「어요」という形に変わります。
つまり、
食べる + ~ます:
먹다 + 아요 ―> 먹다 + 어요 ―> 먹어요
먹어요が「食べます」という意味の正しい韓国語になるのです。
では、なぜ먹다の場合、아요ではなく어요となるのでしょうか?
それは、語幹の最後の母音が「陰母音」だからで、その陰母音につられて아요が어요に変わったからです。
つまり、「~ます」の「아요」は、
- 語幹の最後の母音が陽母音であれば、「아요」を使い
- 語幹の最後の母音が陰母音であれば、「어요」を使う
というルールになっているわけです。
この語幹の最後の母音が陽母音か陰母音かで形を変える語尾の種類としては
- 過去形を表す「았(었)」
- 連用形を表す「아(어)」
- 原因理由を表す「아서(어서)」
などがあります。
このように、【語幹の最後の母音が陽母音か陰母音か】を確認することが韓国語の活用の例外に遭遇したときに正しい形を判断するチェックポイントになるわけです。
しかし、それだけではありません。
なんと!さらに、もうひとつチェックしなくてはいけないポイントがあります。
それは、【語幹の最後にパッチムがあるか】どうかです。
語幹最後のパッチム有無で形を変える語尾
なぜなら、パッチムとは母音のあとの子音のことですが、 このパッチムがあるかないかでその後ろにつく語尾の形が変わるものもあるからです。
例えば、「~ます」を意味するもうひとつの語尾「ᄇ니다」を語幹の後ろにつけてみるとこうなります。
行く + ~ます:
가다 + ᄇ니다 ―> 갑니다(行きます)
가다の語幹「가」にはパッチムが無いので、基本通りᄇ니다をそのままつけることができました。
しかし、パッチムがある먹다の後ろにᄇ니다をつけてみると
食べる + ~ます:
먹다 + ᄇ니다 ―> 먹ᄇ니다 ―> 먹습니다(食べます)
「먹」にはパッチムがあるので、ᄇ니다をそのままつけることができず変形するのです。
ㅂ니다が変形した形が「습니다」なんですね。
つまり、語幹の最後にパッチムがなければ、ᄇ니다を使い、語幹の最後がパッチムになっていれば、습니다を使う・・
というルールになっているわけです。
語幹の最後にパッチムがあるかないかで形を変える語尾の種類は本当にいろいろあって
- 尊敬語を表す「시」の場合、パッチムにつくときは「으시」
- 仮定形を表す「면」→「으면」
- 依頼するときに使う「십시오」→「으십시오」
- 約束するときに使う「ᄅ게요」→「을게요」
などなどが代表的な語尾です。
韓国語の活用の考え方まとめ
長くなりましたが、もう一度活用の考え方を整理すると、
1)基本は「語幹」にそのまま「語尾」をつけるだけ
これが大原則、基本中の基本形です。
但し、この原則には例外がいきなり訪れます。
2)語幹の最後の母音が陽母音か陰母音かにより形を変える語尾がある
3)語幹の最後にパッチムがあるかないかで形を変える語尾もある
この二つです。
つまり、韓国語の活用のパターンは大きくこの3つに分けられるということになるのです。
まず韓国語の活用にはパターンが3つあるということを押さえておいてください。
すると頭がすっきり整理されるはずです。
しかし、大きく3つのパターンがあるのはわかったけど、実際に語尾を語幹にくっつけようとした時にどのパターンなのかわからないんだけど・・とあなたは思ったかもしれませんね。
確かにパターンだけわかって実際に使いこなせなければ意味がありません。
なので、次回語尾を見たときに、上の3パターンのうちどれに該当するのか、見分け方を紹介します。
(つづきます。)
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