前のページで
「PAPAPAPAPAPAPAPAPAPAP!」
「MAMAMAMAMAMAMAMAM!」
という発音練習をしていただきました。
両方の音とも口をパクパク開けたり閉めたりしながら発音していることがお分かりになったかと思います。
さらに、「ぱぱぱぱ〜」「まままま〜」と発音している最後に声を出さないように息を止めると、口を閉じた状態で終わることも分かったはずです。
その口が閉じている瞬間は「母音」が発音されずに「子音」だけが取り残された状態です。
それがまさに「子音」が発音されている瞬間なのです。
つまり、PとMという子音は口を閉じることにより、音を作り出す子音だということなのです。
しかし、同じく口を閉じることにより音を作り出すとは言っても、明らかにPとMでは違う音ですよね?
では、次にあなたはPとMとを、もしくはPAとMAをどのように区別して発音しているのか、確認していきたいと思います。
●子音の発音で知っておくべき2つの要素
また同じように「PAPAPAPA・・・」「MAMAMAMA・・・」と繰り返して声を出すことで確かめてみるのですが、今度はゆっくり声を出していただきます。
つまりイメージ的には
「ぱ〜ぱ〜ぱ〜ぱ〜ぱ〜ぱ〜ぱ〜・・・」
「ま〜ま〜ま〜ま〜ま〜ま〜ま〜・・・」
という感じです。
そして、できる限りゆっくり声を出していってください。
すると、こんな感じになるはずです。
「ぱぁー、っぱぁー、っぱぁー、っぱぁー、っぱぁー」
「まぁー、んまぁー、んまぁー、んまぁー、んまぁー」
「ぱ」をゆっくり発音していくと、「ぱ」と発音する前に息が詰まったような感じになり、
「ま」をゆっくり発音していくと、「ま」を発音する前に「ん」と鼻から音が出てしまう・・・
こんな現象が起こったのではないでしょうか??
結論を言うと、PとMの違いはそこなんです。
つまり
Pは「口を閉じた状態で」「息を止める」という子音であり、
Mは「口を閉じた状態で」「鼻から音を出す」という子音である・・・
ということなんです。
なので、前のページでキムさんの「김(KIM)」は「kimu」ではなくて「kim」だと説明しましたが、具体的な発音の方法は
1)KI:つまり「キ」と発音したあとで
2)M:「口を閉じた状態で」「鼻から音を出す」
という発音のしかたをすると、韓国人にも分かってもらえるきれいな発音になるということなんです。
このKIMのMはパッチムのMだということになるのですが、このMを発音するときには、あくまで「口を閉じた状態」にしなくてはならず、逆に言うと口を開けてはいけないということにもなります。
ということは、パッチムを上手に発音するためには
・口の状態をどのようにつくるか?(口を閉じるのかなど)
・音をどのように作るのか?(息を止めるのか?鼻から音を出すのか?)
という2点を理解すればいいということになるのです。
そして、私が「ハングルは発音記号である」というハングルのしくみを知っておかなくてはならないと繰り返し言っていますが、
ハングルの子音記号は「口の状態」と「音の作り方」という発音をするための2つの要素がちゃんと目で分かるように記号化されているのです!
●ハングルの子音記号は口の使い方を記号化している!!
では、Mから見ていきましょう。
Mという子音をハングルであらわすと「ㅁ」です。
つまり四角形なんですが、これはある状態を記号化したものです。
何だと思いますか?
漢字の”口”に似ている訳ですが、これ実は、Mを発音をするときに閉じた「口」を象徴化しているのです!!!
知っていましたか?
ハングルの子音記号はすべて発音するときの口のかたちを象徴化しているんです。
Pも見てみましょう。
Pのハングル記号は「ㅂ」ですが、どことなくMの「ㅁ」とかたちが似ているのは、やはり根拠があってPも「口を閉じて」作る音だからです。
ただ、Mと記号として区別しなくてはいけないので「ㅁ」から上へ角を2本生やしているかたちになっているのですが、この部分は「ㅁ」の口のかたちをベースにして、そのときに息を止めることがイメージ化されているということです。
いかがですか?
ハングルは単純な文字だけではなくて、発音記号としての意味もある・・・
私が説明して来たことの意味がお分かりになったのではないかと思います。
ハングルの子音記号かたちそのものが発音のしかたを教えてくれているんですね。
ハングルってかなり深い文字だったんです。
では、パッチムの発音で使われる他の5種類の記号は何を意味しているのか?
長くなったので次のページで見ていきましょう。
→次のページ:パッチムㄱ(G,K)とㅇ(NG)の発音がうまくなる方法とは?