ハングルは韓国語を表す文字であるとともに、発音記号でもある。   メール講座をお読みのあなたは、なぜそう考える必要があるのかご理解いただけたかと思いますが、ここでは具体的にハングルが何を表す記号なのかを見ていくことにします。   その前に一つ確認しておきたいのは、ハングルは必ず   「子音記号」+「母音記号」の組み合わせ   で、ひとつの文字を構成するということです。   このことは「ハングルはローマ字みたいなものである」と考えるとイメージがつくかと思いますし、韓国語がもし「子音」+「母音」しか組み合わせ方がないのであれば、日本人でもそれほど深く考えずにきれいな発音で韓国語が話せるはずだったのですが、残念ながら韓国語には次のような組み合わせもあるのです。   それは、「子音記号」+「母音記号」+「子音記号」。   つまり、母音を発音したあとでさらに「子音」を発音するというものです。   有名な発音としては、例えば   「김」。   韓国人に多い姓である「キム」さんをハングルで書くと「김」になるのですが、発音は「キム」ではなく「キm」。   つまり「kim」ですね。   母音「i」のあとに子音「m」が単独で発音されることになるのですが、韓国語として正しく発音するには決して「キム」つまり「kimu」と発音してはだめだということです。   この母音のあとで独立して発音される「子音」については文法用語で「終声(しゅうせい)」というのですが、一般的には「パッチム」と呼ばれているのでご存知かもしれません。   「パッチム」と聞いただけで「あー、大嫌い!!」と拒否反応を示してしまう人もいるかもしれませんが、この「パッチム」=つまり母音を発音したあとで独立して発音される子音は、日本人であれば誰しもうまく発音できずに苦労している人が本当に多いんです。     というのも日本語は子音と母音を合体させて発音する音が大部分で子音単独で発音することは一部を除いてほとんどないからなのですが、しかし、ハングルを発音記号と捉えて勉強を進めていくとあれほど難しかったパッチムも上手に発音ができるようになります。     このシリーズでは、パッチムをどのように発音すればいいのか?ということを確認していくことを通じて、ハングルが文字としての機能だけではなく、その音をどのように発音すればいいのかを表している発音記号でもあるという事実を見ていくことにします。     →次のページ:パッチムを発音するときに意識すべきこと